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環境・社会活動報告

環境パフォーマンスデータ/活動状況

省エネルギー

電力使用量

 2016年度は、白河工場に自家消費用の19.5kWの太陽光発電システムを設置しましたが、完成が11月になってしまい、電力の需要期である夏季に対する寄与は2017年度に持ち越しになりました。また、福島工場404本、白河工場192本の蛍光灯をLED照明に切り替え、第二福島工場では老朽化した大型エアコンの更新を行いました。
 省エネ活動としては、生産設備やエアコンなどの負荷設備の電力測定を社内や電力会社様の協力で実施しエネルギーを見える化し、運用改善による節電を行うための情報収集、省エネ人材育成のための講習会への派遣、省エネ工場見学会への参加、省エネ改善提案の募集などを行いました。また、白河工場では、2015年度に大きな負荷要因となった開発製品用のクリーンルームの運転方法を見直し、大きな効果を得ました。
 これらの活動を行いましたが、受注が前年比9.2%増加した影響により、電力使用量は前年比4.5%の増加になりました。

白河工場の太陽光発電パネル
白河工場の太陽光発電パネル
福島工場のLED照明化工事
福島工場のLED照明化工事
白河工場のキュービクル
白河工場のキュービクル

 2017年2月に竣工した白河第二工場では、全フロアでLED照明を導入し、各所にセンサースイッチの採用や照明一台ごとに消灯できるようプルスイッチを設置しています。また二重サッシや壁には保温効果を向上させる材質を用いるなどエネルギー消費をおさえる工夫を施しています。

灯油消費量

 2016年度もこれまでの品質改善活動を継続し、医療用製品の品質不良による再生産を減少させることができました。また、一部の化学処理を行う製品の生産数量減少に伴い、灯油使用量も減少しました。これらの改善と環境変化の影響により、全体として灯油使用量は前年比6.4%減少しました。

冷却ポンプの省エネ効果を狙う冷水タンク
冷却ポンプの省エネ効果を狙う冷水タンク
エネルギー使用量の推移
エネルギー使用量の推移

水使用量

 水の使用量も灯油同様、医療用製品の品質改善活動と生産数量変化により減少しました。また、週単位での水使用量のチェックを継続し、水道配管の劣化や冬期の凍結による水道管破裂他による異常の早期発見、処置を行う活動の結果、漏水による水のロスを防止できました。この結果、水の使用量は前年比1.7%減少しました。

医療用の新製品用設備
医療用の新製品用設備
水使用量の推移
水使用量の推移

CO2排出量の低減

 2016年度は、医療用製品の受注構成の変化で灯油使用量が前年比6.4%減少、白河工場、福島工場でのLED照明化、第二福島工場の大型エアコンの更新、白河工場のクリーンルーム運用方法見直しなどを行ったものの全社的な受注増による生産数量の増加の影響により、電力が4.5%増加し、全体としてCO2の総排出量は前年比1.8%増加しました。ただ、内作製品売上金額に対するCO2の排出量は、クリーンルームの節電やLED照明、太陽光パネルの設置などにより、前年比6.7%減少しました。

CO2排出量の推移
CO2排出量の推移

廃棄物の削減

 2016年度も品質改善による投入材料削減活動を継続しました。スポーツや医療ゴム製品用の天然ゴムや合成ゴムのゴムくずが削減された一方、スイッチ用のシリコーンゴム製品の受注が増加したことにより、これらのゴムくずや副資材のポリシートなどが増加しました。また、生産量の増加に伴い、原料容器であるダンボールや紙類、木製パレットも増加しました。これらの結果、廃棄物全体で前期比0.5%の増加となりました。

廃棄物総排出量と前年度比の推移
廃棄物総排出量と前年度比の推移
廃棄物の種類
廃棄物の種類
排出量の推移
排出量の推移

リサイクルの推進

 2016年度は2015年度にリサイクルを開始した硬質を含む混合プラチックや排水処理後の脱水汚泥のリサイクルが順調に進み、全体のリサイクル率が90.8%となりました。また、2016年度は、これまで全量を埋立処理していた廃ブラストのうち、バリ取り用途のものを分別することで焼却処理が可能になり、焼却処理後の焼却灰を路盤材にリサイクルするルートを見つけることができました。このルートは焼却灰を埋立していた一部の廃ウエスにも適用でき、2017年度から本格的に運用を開始する準備ができました。

リサイクル量およびリサイクル率の推移
リサイクル量およびリサイクル率の推移

化学物質の管理

 RoHS6物質が工程内で使用されないように原材料や混練加工済み材料を受入段階で検査するとともに、出荷する製品の確認を行うことで化学物質に対する品質保証を継続しています。
 ゴムの添加剤に使用しているフタル酸エステル類(DEHP、BBP、DBP)が検討対象物質になったことから、これまでPVCとともに進めてきた配合薬品の代替活動が一層重要なものになりました。
 工程内で使用しているPRTR法の対象となる化学物質には数種類の有機溶剤があります。
 環境や安全に対するルールに従って使用するとともに化学物質の削減に向けた取り組みを進めています。

トリクロロエチレン浄化活動

 当社の主力商品だったASA COLOR ランプキャップ中に含まれる不純物を取り除くため、過去にトリクロロエチレンを使用していました。このトリクロロエチレンが地下に浸透していることがわかり、1996年から土壌ガス吸引浄化装置による土壌浄化、2004年から地下水揚水浄化装置による浄化を行ってきました。
 2012年度からは、微生物分解による土壌浄化の可能性についての調査を開始しました。2016年度も微生物分解による調査を継続しました。この結果、2015年度前半に投入した薬剤の効果が1年以上経過した2017年になって現れ始めていることがわかってきました。トリクロロエチレンが減少し、その分解生成物であるジクロロエチレンが増加、また、土壌菌が活動しやすい環境の指標である酸化還元電位の低下とそれに伴う土壌中の分解菌の増加傾向が確認されました。薬剤投入からその効果が表れるまでには1年以上の時間が必要になるということです。2017年度は、土壌汚染の中心付近を対象にして、あらためて同様な効果が得られるかを検証します。得られた結果から、薬剤の投入量や濃度、投入位置の間隔や深さなど、実際の土壌浄化作業を行うために必要な条件を設定することになります。

福島工場の土壌浄化試験
福島工場の土壌浄化試験